のこのこバンコク

共働き志向の駐在妻。育休中。

駐在妻が赴任3ヶ月頃から落ち込むのは普通のようだ

駐在妻関連の本を読んでいたら、海外の生活に適応する段階があるという記述があり、興味深かったのでまとめてみました。私にはこれからタイの文化や生活に不適応を起こすカルチャーショック期が来るかもしれないようです。

 1.駐在妻とカルチャーショック

 

参照したのは『海外赴任のために必要なこと 駐在員家族のメンタルヘルス』という本です。筆者は実際欧州などで駐在妻を経験しており、あまりそんな本は見かけないのでKindleで買ってみました。筆者や周りの方の経験と、異文化適応関連の文献から整理したものでした。

赴任後の異文化適応段階(p.17-33を要約)

①ハネムーン期(筆者の実感→0〜3ヶ月):

着任してすぐの時期。新鮮な気持ちを持ち、めまぐるしく日々がすぎていき、急速な環境変化になじもうと無我夢中で緊張と興奮の状態にある。好奇心も強くみられ、みるものきくものすべてが珍しくて、不適応になどなるゆとりがないという時期で、案外ストレスの自覚がないもの。

②カルチャーショック期(筆者の実感→4〜10ヶ月):

着いてから数ヶ月で生活は落ち着いたけれど、まだ軌道に乗っていない時期で、個人差はあるけれど、誰にでも必ず訪れる時期。移住期の混乱と緊張が一応おさまり、生活が整いほっとした頃からはじまる。この時期が実はもっとも問題で、不適応がはじまる時期。

現地に関する欠点が見え始め、不便さや不自由さが次々と目についてくる。物資がない、高価だ、品質が悪い、交通が不便だ、治安が悪い、能率が低い、対人関係にいや気がさすなど、一時が万事不満でたまらない、いらいらやあせりが出てきてむしょうに腹立たしい気分になる。

この時期には心理面だけではなく、身体的にもよく障害を起こす。原因不明の下痢や発熱、アレルギーなど、食欲がなくなったり、眠れなかったり、ひどい風邪をひいてもなかなかなおらないというようなさまざまな症状があらわれる場合もある。

③適応期(筆者の実感→11ヶ月〜2年):

適応に達した時期であり、無理なく現地生活を楽しめるものである。現地の短所も長所もよくわきまえ、その中にいる自分の位置を知り、客観的に見ることができ、その場の状況にあった態度が自然にできる。

④成熟期(筆者の実感→2年〜):

文字通り、略

 

①で高揚した点からスタートしたのち、②で下降し、③〜④でまた上昇するというU曲線を描いて現地に適応していくそうです。カルチャーショック期、けっこう大変そうだ。

私は1ヶ月目も激しい高揚みたいなのは無かったけど(どちらかというと仕事に戻りたくてもやもやしていた)、そんなものでも外に出たりブログ始めたりはしていたので、未だハネムーン期なのか?これから数ヶ月以内、どかっと落ち込むことがあっても、そういう時期もあると理解しておいたほうが良さそうです。

ただ、上記著書では、「食生活は海外駐在員や駐在妻のメンタルヘルスを維持するうえで非常に重要なファクター」としており、その点、バンコク暮らしはかなり恵まれていると思われます。

上記著書に出てくる駐在妻さんたちの苦労は頭が下がります。。車で2時間かけて納豆を買いにいき、納豆菌から納豆を増やしたという話や、白菜の代わりにチコリという野菜ですきやきを作って失敗した話や、年末にパリ旅行を計画して日本語放送を観られるホテルを予約し、わざわざ昼間に紅白歌合戦を観た話など。

バンコクって納豆を食べようと思ったら(少し高いけど)徒歩圏内のスーパーに売ってる、日本人は周りにたくさんいる、日本食のチェーン店多数、日本語のテレビ見放題(地方局よりチャンネル多い)だし。タイ食もうやだ!!ってなっても逃げ場がたくさんあるのはバンコクの良いところですね。

 参照した本ですが、前半は駐在妻全般の適応の話で面白かったです。まだ一ヶ月ですが、「あるある!」と思ったり。不適応へのアドバイス等もあります。ただ、欧州駐在経験の方のため、中盤〜後半は欧州&教育の話で、アジアの事例は少なめでした。

2.カルチャーショックは異国で受けた後、自国で再度経験する?

続いて海外への適応について調べていて、面白かった物を。1.で紹介したのはまさにU字型曲線でしたが、W字型を描くという説が今はよく使われるそうです。(↓図もあります)

日本語教師のページ 用語検索マンボウ

U字型カーブののち、「帰国する際にもう一度外国に行ったときと同じような経験をする。帰国した当初は自分の文化に戻った喜び、安心感が大きいが、しばらくするとなかなか自分の文化に戻れないことを発見し、ショックを受ける。そして再び自国の文化を思い出し、適応していく。(上記HPより引用)」異国に適応した対象者は自国に戻ったとき自国文化に対して再度カルチャーショックを受ける、ってことですね。

タイに数年住んでいる方から聞いた話で印象に残ったのが、「これまで気づかなかったが日本の道には看板が多くて、情報量が多く疲れた」「何度も同じ事を言う電車内やテーマパーク内の放送に毎度聞き耳をたててしまい疲れた」などとお話されていたことです。日本にいたときは普通だと思っていたことが、海外での経験を経て相対化され、違和感を感じる(自国に対するカルチャーショック)ようになる。タイの文化をそれだけ内面化したから到達する段階なのだと思います。

3.まとめ

駐在妻1ヶ月の私は一応まだハネムーン期のようです。。これから雨期に向けて、そろそろ異国に来た高揚感が切れ、ハネムーン期が終わり、今のタイでの生活のいろいろなところに不満が出てきて落ち込んできたりしても、それはそういう時期だと思うことにします!そこからタイに慣れていって、タイの生活に適応するところまでが第一段階(U字型)。やがて自国に帰って、今まで気付かなかった日本の習慣に違和感を覚えて再度のカルチャーショックを受ける(W字型)。そこまでの一連の流れで、海外居住者として一通り経験したことになるのかな。

一連の経験は疲れそうではあるけど、自分の中の物の見方を増やすことができるのは憧れます。この先壁にぶつかったとき、ひとつの価値観に縛られていると深刻な悩みに思えても、別の価値観も持っていると、その悩みも相対化できて、「マイペンライ」って思えるかもしれない。

そう言いながら、2ヶ月後にはそんなにポジティブには思えないかも笑。まあ、じょじょに慣れていきたいと思います。

 

冬乃さんとお話したことが、今回の記事を書くひとつのきっかけでした。

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ブログは情報量も多くて、読んでてもっとタイを楽しまなきゃ〜って気になります。ありがとうございました!